8月2日火曜日の日野自動車の説明・謝罪?会見を見てみた。
気になったのはHC-SCR, 尿素-SCR, エンジン型式をダラダラと読み上げている(暗記しているのも知れないが。。。)点。コレを聴いてわかる人が何人いるのだろうか??
質問もそういったところには突っ込まないんですね???
因みにその筋には多少詳しいので云うと、HC-SCRとは Hydro-Carbon Selective Catalytic Reduction の略。NOx(窒素酸化物の総称)の低減システムのことで、SCR触媒にディーゼル燃料(=Hydro Carbonです)を還元剤として吹き付けて NOx を 主にN2(窒素)に還元して、あとはO2(酸素)とCO2(二酸化酸素)に分解してるハズです(昔の記憶と知識なので多少のズレはご容赦)。
会見中で尿素-SCRというのも出てきましたが、こちらは尿素水を触媒に吹きつけると尿素水が200℃前後で加水分解を起こしてアンモニアに変性?させて、このアンモニアを還元剤とするSCR (Selective Catalytic Reduction ね.。)のNOx浄化システムですね。
2010年代初期においては、HC-SCRは大手自動車メーカーのなかで日野だけが採用したかなり独特なシステムで、日本自動車工業会やSAE(Society of Automotive Engineering - アメリカ自動車学会ですね 。。)で論文発表バンバンやって宣伝してたのに 。。。
HC-SCRは意図的にエンジンで不完全燃焼させたディーゼル燃料を排気管に流して還元剤としてSCR触媒に送り込むので当然燃費が悪くなるという課題、不完全燃焼の燃料はピストンオイルに交じりオイルが薄まってエンジンが焼き付いてしまうという課題、それらの課題が露見しないように走行距離毎に劣化で環境が変わっていく自動車で10年前後の期間制御し続けなければいけないという課題をクリアしなければない技術的ハードルが高いもので、大手では唯一日野だけが実用化していました。尿素-SCRはHC-SCRは自動車に尿素水タンクやその噴射システム・制御システムを追加でHC-SCRの技術的課題を回避するので、部品・初期コストが嵩むというのが問題点でした。HC-SCR1を唯一実用化していた日野は学会でもこの技術でチヤホヤされていましたが、この頃この論文を書いていた人たちがこの当時の今回の不正の件を把握していたとしたら、どんな気持ちでチヤホヤされていたのか考えると複雑ですね 。。。
会見で技術的に少し突っ込んだところを訊かれると、「回答は差し控えさせて頂きます。」(恐らく = 「わかりません。ごめんなさい。」と云っていただいた方が分かり易い!)との回答でごまかしてましたね。
この会見やらされてる人?の人選もたいへんだろうなぁ~と思いました。