新年あけましておめでとうございます。
2024年第一弾は、オフ・ベア参加費用設定について。コストの考え方次第で参加費も様々になるので、一概に何が正解とは云えないので幾通りかのパターンで考察します。因みに筆者のオフ・ベア開催は300回超、参加も300回超で、両者の立場から計600回ほどの経験からの考察です。
稀に参加者にボール持参を求める主催者さんも見えますが、オフ・ベアイベントでは主催者が練習球、試合球を用意し、参加者はウエア、シューズとラケットを持参すればよいスタイルが多く、参加者の利便性重視したイベントが主流です。
イベントは、以下に3通りに大別できると思います。
(I) ゲームのみ(新球のみ)
(II) 練習のみ(練習球のみ)
(III) 練習+ゲーム(練習球と新球)
練習球は量も必要で、運搬も考えると労力は (III) > (II) > (I) でしょうか。
上記を踏まえ、主催者がボールを用意し、練習の上、新球でゲームを行うケース(III) を前提に、パターン別で考えていきます。
① 『完全ワリカン』
所謂、”見える費用”(コート、ボール代)を参加人数で割るという考え方です。
⇩の表は、一般的な2時間枠で開催されるイベントをモデルにしています。
都営、新宿/豊島/墨田区営コートでの開催、新球は4球入缶の2球使用を想定。*) 都営、新宿/豊島区は平日と休日、在勤・在住と区外で料金に差がありませんが、墨田区は別料金です。墨田区以外でも差をつける公共コートが多数あります。**) 表中にはありませんが、大井臨海公園や有明は都営ですがコート代が高いところがあるので、それらコートでのイベントは、その分高額になります。
『完全ワリカン制』でイベント開催は(筆者の個人的感覚ですが . . .)1-2割程度の印象。主催者が練習球用意や運搬コストをボランティア的に吸収している良心的なイベントで、参加者のメリット大のパターンです。主催者含む6人開催の場合、都営、新宿/豊島区は日中で300~500円、ナイターで400~700円。墨田区はバリエーション大きく、日中で400~650円、ナイターで550~800円。
② 『主催者を除いてワリカン』
コート確保やイベントの企画・立案、ボールの準備や運搬、参加者との質疑応答、当日の進行等、ホストとしての雑務、天候不順やキャンセルなどのリスク対応も求められるので、その役務費を主催者が負担しているという考え方で、このパターンが2-3割を占めている印象です。主催者含む6人開催の場合、都営、新宿/豊島区は日中で300~600円、ナイターで450~800円。墨田区は日中で 500~800円、ナイターで650~900円。こちらも良心的かつフェアな考えのイベントだと思います。
③ 『マーケットプライス』
例えば、アクセスし易い山手線内エリアでの開催は、それ以外のエリアでの開催よりも価値が高いと考えます。平日開催では、仕事終わりでも間に合う19:00以降の開催は、それ以前の時間帯よりも価値があります。逆に休日開催では、日中の時間帯での開催が貴重。夏は日差しを避けられるナイター、冬は気温の高い日中の価値が高くなります。
筆者がこのぐらいだったらOKと考える6人開催時のマーケットプライスは;
【平日】
都内日中2時間:600~800円
都内半ナイター2時間:800~1,000円
都内全ナイター2時間:1,000~1,200円
【休日】
都内日中2時間:600~1,000円
都内半ナイター2時間:800~1,000円
都内全ナイター2時間:800~1,000円
一般的なテニススクールで、週1コマ90分で10人/コートで12,000円/月程度とすると、3,500円/2時間ほど。テニスコート含む建物の償却、コーチ人件費、運慶管理や修繕費積み立て、保険に競合との価格差も勘案して設定されているものだと思います。
公共コートでのオフ・ベアは、テニスコートの償却や修繕積立といったハード面での費用が格安で済んでいる点、保険などには入らない点でテニススクールよりも安価であるべきである一方、参加者募集やキャンセル対応、参加者不足など運営管理リスクを主催者が負っているという点を勘案し、マーケットプライス感です。『マーケットプライス』制を採用しているイベントは5‐6割というのが筆者肌感覚です。最近のインフレを反映してか『マーケットプライス』の価格設定も上昇計傾向にあるように思います。
④ 『定額制』
参加人数によって参加費を増減させるイベントが主流ですが、参加人数に関わらず定額とするイベントも2-3割ほどある感覚です。テニスコーチやプロ経験がある方がレッスン前提で3,000円~高くは10,000円で募集しているケースと、レッスンなしで『マーケットプライス』感に基づき設定している場合があります。何れも参加者が集まらないと主催者がリスクを負うという点ではフェアではありますが、前者は後述の『商業的イベント』とに類するものは、土地代や設備に税金が投下されている可能性のある公共コートでの実施はモラルを逸脱した利用法と考えています。後者は『マーケットプライス』感を維持している範囲内であれば、参加者が集まらないリスクを主催者が負っている点でフェアな設定と云えると思います。
⑤ 『商業的イベント』
オフ・ベアで商業的利益を求めて参加者を集めていると思われるパターンです。『定額制』で触れたレッスン的なケースの他、多面展開で主催者はプレーせず運営に徹しているようなケースがあります。都営のコートで、登録カードを数十枚から数百枚レベルで集めて抽選に参加しコートを確保、定額で1面8名程度でオフ・ベアで参加者を募るケースが多いのではないでしょうか。組織的に商業的な運営をしているグループは都内でも複数存在しているようで、イベントの1割弱を占めているのではないでしょうか。都営コートの登録カードは他者への引き渡しを禁じており、違法とは云いませんが、モラルには反した活用法という印象は拭えません。レッスン的内容を公営コートで行うのも『マーケットプライス』+アルファを超える設定で行うのも同様と考えています。また、個人的に年20万円以上の利益が出ているようであれば、雑所得として申告する内容になってくるかもしれません。
最後に;
個人的主観に基づけば、都内公共コートでのオフ・ベアであれば6人開催2時間で、1,000円/人に場所や時間を勘案したプレミアム+200円までが上限とイメージしています。人により基準のMax.1,000円だったり、1,500円だっだりすることはあると思いますが、そこは個々人の価値観によるところなので、あくまで参考として読んでいただければ幸いです。